人を温かく励ます言葉を…言葉が人生を変える

春風や 闘志いだきて 丘に立つ 高浜(たかはま)虚子(きょし)

小高い丘の上に立ち、眼前に広がる景色を眺めながら未来を思う。その時、湧き上がる熱いが「夢」や「希望」ではなく、「闘志」という力強い言葉で表現されています。自分の強い信念を貫く決意を表した句です。「春風」という季語は、温かく柔らかに吹く風のことで、この言葉自体に力強さは感じられません。しかし春風は人生の丘に立つ人を勇気づけ、鼓舞する働きをもつのではないでしょうか。

言葉には、春風のように人の心を温かく励ます力もあれば、冬の北風のように冷たく凍えさせる力もあります。言葉には、人の気持ちや行動、人生を変えるすごい力があります。特に親の言葉が子供に及ぼす影響が強い大きいことは間違いありません。子供は親から与えられた言葉で、子供の心が育ちます。子供の心の中にあるコップの水が成長と共に

だんだんと満たされ、そして、いつしかコップの水があふれ出て、親や周りの人にも同じようなことを言ったり

行動したりするようになります。否定的な言葉で濁った水をためていくことより、感謝や愛のある言葉できれいな水をどんどんためていくことができるように、子供たちと接していきたいと思います。