私たちの物の見方や考えた方は、ひとり一人異なっているものです。学校や職場、地域社会などで、大勢の人たちと協力し合って物事を進める際は、さまざまな意見が生まれることでしょう。そうした中で、自分の思いにとらわれすぎて、他の人の意見を素直に聞けなくなっていることはないでしょうか。「自分こそが正しい」と思い込み、周囲が見えなくなっていることはないでしょうか。自分の意見を持つことは大切ですが、「自分は正しい」という思いばかりを募らせると、異なる意見を持つ人に対して必要以上に防衛的になったり、逆に攻撃的になったりするものです。そうなるとお互いの間に不信や不満を生じて、物事はうまく運びません。また、表面上は相手に合わせたとしても、自分自身の心の中にわだかまりがあると、せっかくの活動も楽しめなくなるでしょう。人間は誰しも完全ではなく、物事全体を見通すことは難しいものです。だからこそ、自分の立ち位置から見た考え方から、相手の立場に立ってみること、第三者の立場に立って意見を見つめてみることも大事です。相手を尊重し、お互いを補い合おうとする心。自分も相手から教えてもらうことや、助けてもらう面があることに気づき謙虚に耳を傾けることで信頼と協調の関係を築くことができるのではないでしょうか。