私たちが生まれてからこれまでの間には、どんな人たちのお世話になってきたでしょうか。友達や学校の先生、近所の人、職場の人、そして、何より家族や親戚。たぶん一緒に過ごす時間が多い人だけを考えても、たくさんの顔が思い浮かぶことでしょう。しかし、この「当たり前のような日常」を支えてくれている存在について、さらに掘り下げて考えてみると・・・。そこには、驚くほどの大きな「ありがたいこと」がひそんでいるのかもしれません。

「当たり前」のようで「有り難い」こと

「ありがたい」という言葉は、漢字では「有り難い」と書きます。「そうあることが難しい」「めったにないことである」という気持ちが込められた言葉です。まず、私たちがこの世に生を受けた背景には、必ず「いのち」を与えてくれた父親と母親の存在があります。とりわけ母親は、一人ひとりの子供のために、生命をかけて出産に臨んだことでしょう。そして生まれた後も、その後の家族をはじめとする周囲の大人たちに養ってもらわなければ、乳幼児を期を生き延びることはなかったでしょう。社会の中で生きていくための基本的な能力・・。たとえば言葉や生活習慣、物事の考え方や善悪の判断基準などもまた、周囲の大人のから教育やしつけを受ける中で身につくものです。つまり、私たちが今、こうして日常生活を送ることができるのは、父母や家族をはじめとする大勢の人たちが“どうかこの子が人生をしっかりと歩んでいくことができるように”という、温かい思いを注いでくれた結果と言えるのではないでしょうか。

5月は、子どもの日、母の日があり、改めて周囲の方の気持ちや存在に感謝する機会にも恵まれています。